医療の仕事に違和感を感じたら

医療業界で働くためには、学生のうちからすでにこの業界を志望していなければならない。こうした点でこの業界は少し特殊だといえる。医師になるためには高校を卒業してすぐに医学部に入らなくてはならないし、薬剤師にもまったく同じことが言える。看護師も高校卒業と同時に看護専門学校に通うことになるのが普通である。

それはつまり、まったく社会経験を経ないままで業界へやってくることになるわけだ。このことが、実際に現場に出てから、今の仕事が自分にベストマッチした適職なのか疑問に思ってしまう原因の一つとなっているように感じる。業務を始めてみて、仕事の適性に疑問を感じる人は珍しくないだろう。

こうした問題を解決するために、一度医療業界を離れてみるのもいい選択肢だ。病院は日本全国にあって、多少ブランクがあったとしても再雇用はしてもらえる。その業界の特徴を活かして、しばらく他の仕事をやってみるのも悪くはないだろう。一般の企業で働いてみて、一般企業の方が向いていると思うかもしれないが、その一方でいかに病院での仕事が恵まれているのかも理解できるようになるだろう。

医療従事者は人のために働けるし、何よりも待遇面で非常にしっかりしている。今の時代は、一般の企業では不景気の煽りでボーナスが出ないことも珍しくはない。しかし、病院ならボーナスが半年分以上出される場所が多いため、年収額は満足いくものになるだろう。こうした現状は、一度業界を外から見つめてみないとなかなか分からないことである。業務に疑問を感じたら、一度外から業界を見つめ直してみるのもいいだろう。また、その経験は、新しいモチベーションを生むこともあるため、決して無駄にはならないはずだ。